

▶︎最近、父といるとムカムカします。近くにくるだけでイヤです。そんな様子を母は「お年頃〜❤︎」とかノンキにからかうけど、この間までUFO(未確認飛行物体)のようだった父が、最近家にいる時間が長くなって、とても居心地悪いです PN. 林檎
▶︎小さい頃、母が家を出て行ってしまって、父と祖父と3人暮しで、まったく会話がありません。特別話したいわけでもないけど、学校も落ち着かないし、イエもくつろげなくて。。。 PN K太

クロイヌ相談所 所長🐾クロイヌです。
家族の中の「父問題」が続けて届きました。
小さい子どもにとって、親は「世界」なんですが、成長するにつれ次第に別の世界があることを知り、今まで当たり前と思っていた家族や親の別の面が見えてきます。
それは、親のイヤな面であることが多いんだけど、それまで慕ってきた親だけに、戸惑うこともある。
親を好きならイヤな部分は目をつぶる、あるいは、イヤな部分が見えるなら親とは近づかない、と極端な白黒思考なったり・・・
だけど、目をつぶっても、近づかなくても、モヤモヤは消えません。
そこで、親の「人格」と「問題」を分けてみましょうか。
親は親として、生まれた時から変わらぬ「人格」として存在するわけだけど、そこにくっついているイヤな面は親の持つ「問題」、つまりオプションとして見ていくということ。
下の図は、父たちが社会的に当てはめられる「男らしさの箱」です。

生まれつきこの箱に入ってこの世に出てくる男性なんていないんだけれど、社会や家族から「男なんだから」と箱に収まることを強化されていく時、その人らしさというか、「人格」はどんどん薄くなり、なんだか愛されないキャラができあがります。
男らしさの箱は実態より膨らませるものだから、本人だって、この箱に入り続けるのはつらいだろうけど、ちょっと外に出ようとしたり、はみ出そうとしようものなら、「だらしない」「情けない」「優柔不断」「父親失格」という言葉で非難されたり、仕事上の立場や役割やさまざまな場面でプレッシャーを受けることになります。
それでも、痛みや弱みは見せないとなると、つらくなるほど閉じていく。。む〜
もちろん、時代はどんどん変わっているから、お祖父さんの時代、お父さんの時代は、すでにもう当たり前ではないんだけどね。
制度が変わっても、人間の意識って、なかなか簡単に変わらないこともあります。
それでも、意識を変えていくということは近道だし、大切なこと。
人は一生、変化し続ける存在でもある。
そして、いつの時代もこの箱を打ち破って、弱い立場や不自由な人々を解放し、自由にしてきたのは、10代なんだ、ということ、心に留めておいてほしい。
🐾クロイヌ

僕の暮らす島の平和祈念館に、ひめゆり学徒隊の移動展がやってきた。80年前の沖縄戦の最前線で15歳から19歳の女子生徒が傷病兵の看護に動員された。戦場を逃げ回り、疲れ果て動けなくなり、数人で身を寄せ合って木陰で眠ったという。生徒・教師240名のうち、生存者は104名。その中にこの島出身の生徒15名と教師2名がいたことを初めて知った。この島は地上戦こそなかったが、強制疎開先でマラリヤに感染し3千名あまりの犠牲を出している。
「父さんの父さんもマラリヤで死んだんだ」
僕が中学の頃、テレビで当時の特集番組を観ていた父が話しかけてきた。
<急に何を言い出すんだ?> 僕は「そう」とそっけない返事をしただけだった。
小さい頃の僕は父が大好きだった。出勤する姿を見送り、帰宅すると家の前の海に一緒に泳ぎに行った。
やがて中学生になり、生きにくさでどうしようもなくなっていた僕をそばで見ていながら、なにも触れようとしない父と、次第に心が通わなくなっていった。<僕は理解されてないんだ>と、父を遠ざけるようになっていた。自分の気持ちを伝えたい、理解してほしいと思うのに。
それから数十年、一昨年の暮れ、入院中の病院で父は亡くなった。コロナ禍で面会もままならないまま。
そういえば、「昔、川崎に住んでいたことがあるよ」と話しかけてきた時があった。僕はその時もそっけなかった。
いま僕は父に聞きたい。祖父が亡くなった後、乳児だった父がどうやって生きてきたのか。古いアルバムに一緒に写っていた川崎の人たちは誰なのか。僕が小さい頃にやっていたレコード屋は、どうやって始めたのか。時々僕の働く店にふらっとやってきたのはなぜなのか。
父に理解してほしかった僕が、いま父のことを理解したがっている。
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チナホマレ
元ひきこもり10年選手。30年前10代の時TEENSPOSTにつながった元17歳少年。生まれ育った沖縄の離島で今日ものんびり暮らす。TEENSPOST スタジオ悠で会員限定無料プログラム「沖縄からだケア」担当。
父の瞳 My Father's Eyes エリック・クラプトン
どうすれば父に伝えられるんだろう?
父と二人で何をすればいいんだろう?
少しずつわかってきた
僕がそれを必要としているってこと
父は僕と一緒にいたってこと
僕は父の瞳を見つめた
実父の顔を知らなかったエリック・クラプトンが父を歌った名曲>>>さらに詳しく読みたい(外部リンク)
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